私が加入している北九州地域一般労組の一人として、 先日、教育委員会との交渉に臨席しました。そのときのやり取りの要旨を、出席者でまとめたのが、以下の文章です。字が多くて読みにくいでしょうが、内容は濃いと思います。感想などコメントとして書き込んでいただければ幸いです。
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8月7日(月)15:00より市教育委員会に於いて、4月6日に一般労組が提出した「教育条件整備に関する要求書」に基づいて、約1時間半に及ぶ話し合いが持たれた。
市教委からは、学務部の松尾主幹・桑山管理係長・真藤給与厚生係長・管理係の岩本さんの4名が出席し、一般労組からは、委員長・事務局長・他5名の教職員の代表が出席した。
<1,初めに、それぞれが自己紹介した後に、まず学務部の松尾主幹の方から要求項目に沿っての回答が出された。>
(1)市費負担の教職員は、各学校毎の課題に対応するために配置しているもので、学級担任にすることは、考えていない。学級担任は、県費負担の教職員にしていただく。
(2)勤務時間は、校長・教頭が管理する事になっている。勤務時間の適正化を図り、教職員に過重な負担がかからないように7月にも通知を出したばかりである。
(3)児童・生徒の成績処理業務については、各学校で行事の精選などをして、工夫して時間確保をしてほしい。また、個人でも業務管理をしていただきたい。
(4)短縮授業については、標準時数の確保の上から難しい。
(5)本年度は、専任生徒指導を中学校21名、児童生徒支援加配を中学校20名・小学校39名配置している。
カウンセラーについては、平成16年度から全中学校に臨床心理士の資格を持った者を非常勤の嘱託として配置している。(週一日)在校していないときにも携帯電話で学校と連絡が取れる状態にしている。
(6)専任の図書館司書については、定数上困難である。他の職員(嘱託事務職員など)の態勢を考える。司書教諭については、校務分掌などの軽減を考えて業務に当たってほしい。
(7)評価システムは、今年度から本格実施している。
全教員向けのパンフレットで周知徹底を図っている。また、適正な評価になるように、評価者研修を年間3回行い、制度の周知徹底を図り、円滑な実施について努力している。
内容がより適正なものになるように様々な意見をお伺いする事はできるが、「やめろ」というような意見をいただいても困るので、理解してほしい。
<2,市教委の回答を一通り聞いた上で、一般労組の方から要求項目に沿って質疑し、市教委が回答する交渉に入った。>
市教委との質疑応答
(1)〔労組〕: 全国的にも少人数学級への動きがますます広がっている中で、福岡県でも国庫負担の少人数加配教員を学級担任に活用したり、福岡市では、市費負担の教職員を1・2年生の学級担任にして35人学級にしているのに、北九州市だけは、何れの制度も活用せず、少人数学級にしないのは、なぜなのか?
〔市教委〕: 少人数学級の動きや良さは承知しているが、文科省の定数通りに担任の配置をしている。今後、少人数学級になる事があるかもしれないが、今のところ本市では、考えていない。
〔労組〕: 私の学校では、5年生40人の3クラスで、どの教室も一番後ろまでぎりぎりいっぱいで、学級での生活や学習に支障を来す事が多いのだが、そんな学年に一人担任が増える事によって、4クラスになると、一クラスの人数が30人になって、一人ひとりに指導する時間が増え、効率的だと思うのだが、北九州市で検討できないか。
〔市教委〕: 先生方は大変でしょうが、今のところ、文科省の定数通りとしか答えようがない。
(2)〔労組〕: 超過勤務の調査をしているか?
〔市教委〕: 多忙感については、最近認めた。文科省の調査によると1ヶ月に平均して15時間という事は承知しているが、それ以上はわからない。
現在、北九州においても第三者機関による調査が10校程度入っている。(小学校5校・中学校5校)これは、マークシート方式で、業者がしているもので、市教委としては質問項目等わからないし、学校名も公表しないという事である。しかし、結果が出れば、何らかの形でフィードバックすることになるであろう。
〔労組〕: 私たちには、残業が認められていないが、限定4項目(①校外実習その他生徒の実習に関する業務。②修学旅行その他学校の行事に関する業務。③職員会議に関する業務。④非常災害の場合、児童または生徒の指導に関し緊急の措置を必要とする場合その他やむを得ない場合に必要な業務。)に限って超過勤務の命令があった場合には、給特法上、振り替え休暇を与えなければいけないがどうなっているか?
〔市教委〕: 各学校の振り替え簿を見ると、休日に出勤したときの代休(運動会などの)は、承知している。
〔労組〕: 自然教室などの宿泊を伴う行事の担当学年および、応援をした職員への振り替え、また、小学校の「あゆみ」をつけるのに、2週間で136時間持ち帰り仕事をした職員がいるし、中学校の生徒指導で、夜中の12時・1時まで業務に関わった職員の振り替え措置については、どう考えているか。
〔市教委〕: (はっきりとは答えず)各学校で工夫したり、個人で業務管理してほしいなどと回答。
〔労組〕: 自然教室で「夜中に起こして薬を飲ましてくれ」という保護者の要望があったとき、私たちとしては、「超過勤務になりますからできません。」とは、決して言わない。2泊3日について8時間の振り替えでは少なすぎるではないか。
〔市教委〕: 就寝時間までは、超勤と認められるが、喘息等で夜中の12時・1時になる業務については認められないので、先生たちのがんばりに頼らざるを得ない。公式に答えられないが、各教員の健康面を考え、スケジュールに応じて各学校で出すようにしている。難しい。
振り替えの問題については、各学校で、スケジュールに沿ってやっていってくれと言わざるを得ない。気持ちはわかるが、宿日直手当1700円を付けている。
〔労組〕: このまま超過勤務が重なっていくと、職員は次から次へと倒れていきます。 現に、あなた方が出された資料からも、平成7年に25人だった病気休職の職員が、平成17年には、50人と2倍になっているではないですか。これは、同じ職員が継続的にではなく、ほとんどが毎年違う職員である。しかも、その70%が精神疾患です。何とかしてほしいと思います。
(3)(4)については、
〔市教委〕:「指導時数の確保から、むずかしい。」「各学校で行事の精選をして工夫する。」「個人で業務管理する。」 などの回答で、なんら誠意ある回答はありませんでした。
(5)〔労組〕: ○専任生徒指導の配置について
「授業に入らない」、「授業の邪魔をする」というような生徒が多数いる中学校では、教諭が授業を持たない「空き時間」は、そのような生徒への対応に追われるため、「空き時間よりは、授業をしている方がましだ。」という声さえ上がる状況がある。それほどに今、中学校では、教室に入って授業を受け持つ先生だけではなく、授業外の先生方も生徒指導に追われ、みんなが疲弊している。
是非、20校と言わず、すべての中学校に専任生徒指導を配置し、「荒れ」の大変な学校については、複数配置も検討してほしい。
○スクールカウンセラーの配置について
小学校もそうだと思うが、中学校では、一昔前では考えられないほど、心の問題を抱えた生徒が増えている。
リストカットを繰り返す生徒、突然暴れだし、壁を殴る生徒など、カウンセラーの力を借りねばならないような問題行動が珍しくない。そのような状況の中、一週間に一度の来校日にはカウンセラーは引っ張りだこになる。それも、10時から17時という短い時間の中で、生徒指導の会議にも出席してもらったりすれば、実際に生徒に対して話を聞いたり、担任の相談を受けたりする時間は、もっと短くなる。
是非、カウンセラーの常駐をお願いしたい。
〔市教委〕: 地方交付税減額で、増やす状況にない。
(6)〔労組〕: 成長期の子どもたちにとって図書室の果たす役割は大きいものがある。校務分掌を考えると言っても、司書教諭は他の教諭と同じようにクラス担任をしていて、他の仕事も受け持っている。司書の仕事に専念できる態勢になっていない。
〔市教委〕: 文科省の定数上困難である。各学校で仕事分担を工夫してほしいと言わざるを得ない。
(7)〔労組〕: 「新たな教員の評価システム」試行後のアンケートで、評価制度に対する不安の声が6割以上に上っているが、このような結果が出ておきながら本年度本格実施に踏み切ったのは理解できない。
アンケートにあるように、教育現場では同僚性が最も大切であり、カリスマのような力を持った個人の力だけで成り立つものではない。また、将来給与に反映させるという事になれば、必然的に相対評価にならざるを得ない。ということは、一つの学校の中で、担任・副任・専任・養護教諭など、様々に役割の異なる教員を十把一絡げにして無理矢理序列を付ける事であり、到底納得できるものではない。
評価者研修の中身とその資料があればいただきたい。
また、評価結果はどう利用されるのか?
〔市教委〕: 評価者研修では、特別な資料を使っているわけではない。使っているのは、全教員向けのパンフレットで、それを使いながら趣旨や内容をきちんと理解してもらうために一つひとつの項目に対して細かく説明を行っている。
また、給与への反映は今のところできないが、昇任試験を受ける先生については、当然選考材料の一つになる。
〔労組〕: 自己評価の目標設定では、具体的に書けということが強調されている。「学級通信を何号まで出すのか。」「スリッパをそろえる生徒、名札を付けてくる生徒、ハンカチ・ティッシュを持ってくる生徒を何パーセントにするか。」「特別教室を整備するのに、指導教具を学年別に整備するのか、分野別に整備するのか。」等と問われる。これが、中心の指導になるのか?
また、裏面の教育委員会への提言の欄の内容については、何らかの回答はするのか?
〔市教委〕: 具体的にということを強調するあまり、校長段階において、そのような発言になっている。重ねて周知徹底を図る。
裏面の提言については、読んで参考にはさせてもらうが、一つひとつについて回答するというような事は考えていない。
〔労組〕: パンフレットにある異議申し立てについての「委員会内部に設置する審査機関」の具体的な中身や手続きは、どうなっているのか?
〔市教委〕: 審査委員会の委員は、学務部長が選任する。
業績評価については、本人にのみ開示し、異議の申し立てがあれば、調査員が学校に赴き、学校長や本人から事情を聴取し、書類を作る。その書類に基づいて、審査委員会で審議する。
〔労組〕: 調査員は、誰が務める事になるのか?
また、審査の場に、異議申し立てをした本人が直接同席できるのか?
〔市教委〕: 調査員は、学務部主幹の内、審査委員会に入らない者になるだろう。
また、審査委員会は、書類審査になるので、本人の同席はできない。
業績評価制度では、適切な目標設定や、納得のいくような評価を付ける事ができるかという点で、ある意味管理職の力量が問われる事になるだろう。
<その他・要求書にはなかった内容>
人事異動の問題
〔労組〕: 私は、八幡東区の学校に勤務していますが、私の学校では、八幡西区・小倉南区・若松区から来ている人がいて、他区異動が当たり前のようになっています。このようなことでは、通勤時間と通勤手当の無駄だと思うのですが、どうですか?
〔市教委〕: 市内60分という基準に従ってやっていると思う。全市的な視野にたってという人事方針もあるので・・・。さらに、他区の実情を知るという事にもなるので。
〔労組〕: しかし、確実に財政難を理由に様々な要求が実施できないと先ほどから答えているでしょう。だったら、このような無駄遣いはやめるべきだと思うのですが?
〔市教委〕: はっきり言って、そのような観点は持っていなかったと言うべきでしょう。旅費は県費なので、その視点はなかった。
〔労組〕: 是非、今後はこのような無駄遣いはやめていただきたい。
同和レポート強制問題
〔労組〕: 先に行われた県議会の県同教問題の質疑の中で、県教委は、「県同教へのレポートの強制という実態はございません。もし、実態があるとしたら、それは、不適切だと認識しています。」と答えています。ところが、私が元いた南同連所属の学校では、今も、レポートの強制と学習会の強制が行われています。実態をどのようにつかんでいますか?
〔市教委〕: 事前に聞いていないので、わかりません。同和問題は、生涯学習部なので。
〔労組〕: だとすれば、すぐに実態を調べ、誤りを是正して下さい。
以上
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